2014年2月26日水曜日

2月26日、飛び魚どんぶり

出発して16日が経ちました。現地時間午後6時の位置は南緯7度14分、西経114度36分。気温は26度、晴れ。南東の風15-17ノットを受けて、一日170海里程度で進んでいます。残り1468海里、長いのはわかってましたが長いですね。
 
流したルアーは大型の針が切れていました。釣れたまま長時間引いていて、釣り糸の針の部分が切れたのでしょう。3回り小さい針をつけて引いていますが、釣果無。
 
代わりにというわけではないですが、毎朝デッキに飛び魚が転がっています。西に向かうにつれて少しづつ大きくなっている気がします。今朝の収穫は写真の如くで、12匹。大きいのは体長25cmほどです。
 
食当のサリーさん、毎朝飛び魚どんぶりを作ってくれます。毎回、味付けを変えていて努力の跡が見られます。塩+最後に醤油、オリーブオイル+ニンニク、ショウガ+醤油、バター+ニンニク+醤油といろいろ。



2014年2月23日日曜日

2月23日、半分来ました;;

今日は経度が105度を超え、先回の時刻合わせから15度西に移動したので、時刻を1時間遅らせました。米国のデンバーと同じ時間帯になりました。
 
今日は午後5時半に総距離3981マイルの半分の地点を超えました。海流は西へ2.5ノット、風は南東17ノット。波はそれなりに育って2.5m位。誠に順調で一日180-190海里帆走できています。
 
海と風の神にサミュエルアダムス1本を奉納して潮と風がこのまま続くことを祈願し、我々はPanamaビールで乾杯。


2014年2月21日金曜日

2月21日、出発して11日が経ちました。

パナマシティを出発して11日、赤道を通過して5日。まだ半分にも達していません。19日に南緯4度まで下がり、安定した南南西の風、貿易風と思われますが、を掴みました。それからはひたすら西に向かって帆走しています。風は10ノットから18ノットの間で、貿易風としては弱め。まだ十分に発達していないようです。
 
ここは最長コース、最新のルートではパナマシティからマルケサス諸島のHiva Oaまで3981海里。日本からハワイのホノルルまでのルートが3750海里なので、それより更に長い。現地時間午後6時の位置は南緯5度23分、西経99度29分。天気は晴れ、気温は27度、風は南西14ノット、波高1.5-2m。残り2380海里。潮は南赤道海流が誠に協力的で、1.5-2.2.ノットで西に押してくれています。
 
16日はクジラの群れを見れたものの、深夜には流してある網に右の舵が引っかかました。昨日の朝は小さなイカがデッキに10匹余り、今日の朝は飛び魚が中2匹、小8匹発見され朝餉の材料になりました。

今朝は右清水タンクの電動ポンプが故障。新品と交換。造水機はそれなりに作動していますが、船の速度が上がると海水を十分に吸い込まないので昼の4時間はセイルを小さくして低速にし、水を作っている状態です。デトロイトで取り付けたソーラーパネルは快調で、昼間が晴れていれば充電の為にエンジンを回す必要がありません。造水機、冷蔵庫、冷凍庫、オートパイロット、照明、航海機器、パソコンの電源をカバーしてくれています。
 
昨晩は南の空に雲無く、1年ぶりに南十字星と対面。感激です。夜にはどこから来るのか鳥が数匹ヨットの近くに現れ、並走します。朝になるとゴムボートの上、ドジャーに鳥の糞が。 クソッ!
 
あと2週間程度はこの生活が続きます。



2014年2月16日日曜日

2月16日、赤道通過

2月16日は朝からいい風が吹き始め、エンジンを止めてしばし帆走。いい速度が出て、赤道まで着いちゃいました。現地時間午後4時35分23秒、西経86度59分28の地点で赤道を越え、南太平洋に入りました。ガラパゴスの東140海里辺りです。
 
まずは、海神に冷えたビールを一缶献上。その後に船内で乾杯。海神に短編劇を捧げ、通過式は完了。
 
夕方にクジラの群れを見る事が出来ました。海神の歓迎の印かな。


2014年2月15日土曜日

2月15日、出発して5日経ちました。

出発した10日、翌11日は後ろから風と追い潮を受け、誠に快適な旅だったのですが、その後は風が進みたい方向から吹き、波に叩かれて速度が出ません。カタマランの苦手な上りコースになってしまいました。先が長いので、エンジンは片方だけの経済運転。プラスは海流が1-2ノットで押してくれるので大助かり。

風の正面に向かうと2ノットくらいの速度になるので、30度位の角度を取って、メインセイルをあげて多少の推力をつけて機帆走です。気温は夜で25度、日中で30度程度で晴れれば快適です。風が心地よし。
 
現地時間15日午後6時の位置は北緯1時21分、西経85度25分、ガラパゴス島の東北東300海里辺りです。
 
11日の朝に丁度いいサイズのカツオが釣れました。幸先良し。ただ、それ以来釣果無。
 
数日前に密航者を発見。コオロギ君です。夜になるとギーギー(虫の鳴き声は誠に言葉にし難いです)鳴き、船内で良く響き安眠を妨げてくれました。昨晩は鳴き声無。どうしたのでしょうね。
 
昨日は満月が海面に反射して綺麗なナイトセーリングを楽しめました。
 
南下して貿易風を掴むまでが我慢のしどころ。あと3日位はモーターセーリングになりそうです。




2014年2月11日火曜日

2月11日、パナマ出発 マルケサスまで4000海里余り

2月10日、最後の買い出しを行い、午後7時7分、バルボアヨットクラブを後にしました。遅くなったのは、買ってきた肉6キロを圧力鍋で煮て、小分けにする作業に時間がかかったためです。出る時はほぼ真っ暗でした。

水路にはライトの点灯したブイが沢山あり、浅瀬に突っ込む様な事はないのですが、30分位走った所でハーバーの小型艇がこちらにスピードを上げて近づいてきます。何か手続きが問題があったかな?と思いつつ、サリーさんがスペイン語で対応。どうも出港前にハーバーを管理しているフラメンコ島にある管理局に無線で出港申告を行い必要があったみたいです。今度来る時は必ずしますという事で終わり。
 
出た当初は追い風が20ノット程度あり、更に追い潮が1.5ノットあってジブと片方のエンジンで6ノット維持。
 
周囲には運河通過を待つ本船が30隻程度停泊しています。その光の列の切れた所が水路の出口。本船の停泊場を過ぎた所でメインセイルをフルセールに展開。ジブは観音開きとし、真後ろからの風を受けて真南に南下。風はどんどん落ちてきて10ノット前後の軽風になりました。ところが、ボーナスの追い潮が2ノットプラスマイナス0.5ノットあり、対地速度で5-7ノットが出ています。波も穏やかで誠に快適。この潮と風がマルケサスまで続けばいう事なし。
 
マルケサスまでは最短で3900海里程度ありますが、いい潮と風を求めれば4100-4200海里位にはなると思われます。一か月位の長い航海になりそうです。

2014年2月10日月曜日

2月10日、パナマシティ

2月2日の夕方にパナマ運河を超えて太平洋に入り、パナマシティのバルボアヨットクラブのムアリングブイを取って1週間、今回の航海で最も長い区間(最短で3900海里、実際は潮と風のいい所を探すと4000海里以上)の準備をしながら市内見学をしたりで、時間が過ぎました。
 
バルボアヨットクラブはアメリカ橋をくぐってすぐの所にあります。係留桟橋は無くてムアリングブイを取ります。陸から長い固定桟橋が出ていて、その先端に無料渡し船の発着場になっています。ここではWifiの電波が船まで届くのがありがたい。困るのはこの無料の渡し船で、無線で呼ぶのですが、いつ来るかさっぱり判らない。すぐ来るから待ち時間90分までバラエティに富んでいます。
 
ここから市内までの足はタクシーしかなく、US$6-10で運んで貰えます。パナマシティで一番高い所から眺めると、太平洋側の運河の全容、高層ビルが林立するパナマシティが見えます。市内は車が多く、交通渋滞があちこちで発生しています。車は比較的きれいです。シェアNo.1はトヨタでNo.2は現代。店も品数も豊富で、中米で最も豊かな国である事がわかります。これは全て運河のお蔭です。旧市街の汚い所もありますが、新市街は他の先進国と変りません。
 
ここには高校の同窓生一家(カネギ一家)が住んでいて、9日は一緒にショートクルージングを楽しみました。カネギさんの家をイタリアからの造水機の部品の届け先に使わせてもらいました。
 
今回は長いノンストップ航海に備えて、造水機の整備をしっかり行いました。万が一壊れた時に備えて、コックピットの屋根に降った雨水を集めるための仕掛けを作りました。テストしたいのですが、こういう時に限って雨は降らないのですよね。





2014年2月4日火曜日

2月4日、パナマ運河通過完了。太平洋お久しぶり



2月2日はGatun Lakeを太平洋側の下りロックに向かって南東に進みます。前日の停泊地から次のロックまでは28海里。Gatun湖はまるで瀬戸内を進んでいる感じ。大きな本船が行きかいます。Gatun湖が狭くなり、次は人間が掘った運河部に入ります。よくこんな大きな運河を100年も前に掘ったものだと感心します。

スエズ運河を掘ったレセップスが最初に取り組みました。しかし、熱帯の病気(2万人位が死亡)、現地人との軋轢でギブアップしたと現地のガイドから聞きました。それを引き継ぎ、現在の様な重機の無い時代、劣悪な環境の中でこの巨大な掘りを掘ったアメリカ人の気概に感動します。
 
運河部の途中には写真にあるような巨大なマーカーが至る所に設置されています。また浚渫を行う大きな船からパイプが遠くまで出ていて、その中は掘った砂、石が水圧で流されていて、パイプからは列車が通るような音が聞こえてきます。
 
両岸の高いCulebra Cutとそこにかかる橋を通過すると最初の下りロック、Pedro Miguel Locksが
見えてきます。パートナーのAlcidas は遅れているので、船を左岸壁に着けて一休み。しばらくしてAlcidas到着。Uminekoの右側にロープ4本で横抱きにします。
 
アドバイザーの合図でロックの入口に向かいます。登りと同様にモンキーフィストが投げ入れられます。太いラインを繋ぎ、送り出します。固定位置で太いラインが岸壁側に固定され、船側で弛みを取って準備完了。
 
下りは前にジャマイカの小型漁船とその船腹に抱かれたモノハルヨット、Umineko & Alcidas組、最後はロックの横幅一杯のオレンジの本船が1つの箱に入ります。後ろから幅一杯の本船が近づいて来るのを下から見るのは迫力です

壁と船の隙間は両舷各々たった60cmしかないので、ゆっくりゆっくり進んできます。前方の水が押されてかなりの流れが発生しています。全ての船の固定が完了すると、水が抜かれていきます。下りは表面に水流が発生しないので、誠に穏やか。水面がゆっくりと下降します。9mを下りきると前方の扉がゆっくり開き始めます。低い側は水門が2枚ある事に気が付きました。
 
Pedro Migue Lockから次のMiraflores Locksまでは約1海里。横抱きのまま進みます。
 
Miraflores Locksに着いたものの、受け入れ準備が未完という事でしばし待機。しばし待って、入口に進みます。Alcidas側モンキーフィストの投入。2投とも成功。Umineko側の岸壁側の係員はラインを一組しか持ってきていなくて、1投目失敗。2投目成功。一本の細いラインに2本の太いラインをつけて岸壁側に送り出します。固定完了。大型船を待ちます。
 
このMiraflores Locksは連続2段になっていて、2段目を終えるとそこは太平洋!1年5か月ぶりに帰って来ました。お日様はすっかり傾いています。
 
下りは大型船がゆっくり、ゆっくりをむので、最初のロックに入ってから最後のロックを出るまで3時間余りかかりました。








2014年2月2日日曜日

2月2日、パナマ運河通行

2月1日はいよいよパナマ運河に入る日です。前日には太いロープ5本とタイヤフェンダー6個が配られました。マリーナでの支払を済ませ、2時過ぎに出港。小型船の待機海面に3時前に到着。パナマ運河会社が派遣するアドバイザー(運河通行の為のアドバイスを与える仕事。責任は取らない)を待ちます。

4時に来るはずのアドバイザーが来ない。5時前にボートがやってきて、横抱きをする事になっているオーストラリアのSprit of Alcidasにアドバイザーが乗り移りました。次にこちらに来ると思いきや、そのままボートは帰ってしまいました。Alcidasはアンカーを上げてロック入口に向かいますが、Uminekoにはまだアドバイザーが来ません。いらいらと待つ事30分。再び同じボートがやってきて、今度はUmineko担当のアドバイザーが乗り込みました。
同じ待機海面で待っていたアメリカのNorth StarのアドバイザーがAlcidasのアドバイザーと入れ違ったようです。Alcidasはもうはるか先に進んだので、North Starと組む事になりました。急ぐ事もなく、通過が始まるとゆっくり食事がとれないので、晩御飯を先に食べようと余裕です。
食事を終えて待機海面を午後6時20分に出発。オリジナルスケジュールに対して約2時間の遅れです。Gatun Lockの入口に差し掛かる頃はすっかり日も落ち、真っ暗闇。その中でサイズも違い、事前打ち合わせをやっていないNorth Starとの横抱き(ラフティングと言います)作業をどたばたとやり終わったのが午後7時20分。Uminekoは右側。
ロックの箱の中には本船1隻と抱き合った2艇の組が2組入る事になっていました。
ゆっくり前進しながら、まず右側に寄ります。岸壁側から細いロープの先にテニスボール大の重り(モンキーフィストと呼びます)をつけたものが投げ込まれます。1投目、失敗。2投目、3投目成功。
今度は左側に船を寄せると、左側から同じ細いロープが2本投げ込まれます。
船は前進を続け、岸壁側の係員もそれに合わせて岸壁を歩き、船はロックの箱に入り、停止します。午後7時42分。
両側合わせて4本の細いロープに事前に各船に配られた太いロープを結ぶと、岸壁の係員はそれを引き寄せて岸壁側に固定。次は4本のロープを船側で引いてたるみを取ります。それが終わると水門が閉まり始めます。

エリー運河では2枚の水門が合う時にごーーーんと腹に響く音がしましたが、ここの水門は全く静かにしまります。

水門が閉まると注水が始まり、水面が波立ち、その水流で1組になったヨットは横に押され、ロープに力がかかります。同時に水面は上昇。それに合わせてロープにたるみが出来るので、四隅のロープ引きは急いで引いて固定をいう作業を繰り返します。

約15分で9m上昇。号令に合わせて四隅のロープを緩めると、岸壁側の係員が太いロープを固定杭から外し、船側で引いて取り込みます。船と岸壁側の係員は細いロープで繫がれ、船はゆっくり前進、係員は歩いて次のロックの箱に進みます。
3回繰り返して、合計27m上昇。前の水門の先は大きな淡水のGatun湖です。真っ暗闇の中をアドバイザーの指示で進むと、先行したAlcidasがいました。その横に大きなムアリングブイがありました。そのブイに舫い、アドバイザーは帰って運河通行初日の終わり。疲れました。
2日は美しい日の出で始まりましたが、6時に来る筈のアドバイザーの乗るボートが来ません。8時過ぎにやっと現れ、現在Gatun湖を太平洋側のロックに向かって航行中。ここの風景は瀬戸内に似ているとか、松島に似ているといいながら機走中。ロックにいるのは現地時間午後2時半(日本時間3日午前4時半)頃です。