2016年5月31日火曜日

5月31日、ティオマン島からプテリマリーナ

ティオマン島沖で面白いプライベートヨットを見ました。
ASIAN LADYという船です。アウトリガー付きの船を大型ヨットにしたデザイン。
細身の船体の右側に小型の浮き部を付け、その上に大きな母屋が乗っています。

 
5月26日にティオマン島を出発。マリーナ滞在1日の忙しさ。ヨッティーらしくない慌しい動きです。
南西に17マイルの兄弟島に向かいます。隣り合ったスンビラン島とスリブアト島という島です。
グーグル航空写真で見ると、2つの島の間の浅瀬が
綺麗に見えたので、寄ってみようと言う訳です。

 
いや、グーグルの航空写真は革命的ですね。錨泊地を探すのにこんなに便利な道具はありません。
 
3時間余りで到着。南風なので北側から島の間に入ります。ある所で急に浅くなり、2m。
底のサンゴが見えたので、この部分での錨泊は断念。というのも、ティオマン島のマリーナで干満の落差
が3m位ある様に見えたので、危ないと感じる訳です。7m地点に後退して錨を打ちます。
後ろはスフィンクス岩に見張りをお願いして。
 



朝起きてびっくり。きれいなライトブルーの浅瀬は干上がり、2つの島は一つになっており、陸地が船に
迫ってきていました。
 
27日は南に30マイルにあるシブ島に向かいます。風は南西モンスーンの初めの風で南風。
エンジン全開です。
 
長い島の東側、中央部にあるリゾートにゴムボートが付けられる桟橋が見えたので、その沖に錨を沈めます。

上陸して、レストランでジュースを飲んで一服。リゾート沖に浮かぶ我が愛艇は真っ白で美しい。
リゾートを出て島の西側の海岸に行くと、浅い海が広がっていました。
200mの桟橋、マングローブの林。猫屋敷と超ローカルカフェ。







 
夜はウネリの入らない北側の湾に移動し、静かな夜を過ごしました。
 
今迄は意識もなかったですが、マレー半島の東側には小さな島が沢山ありますね。
いいクルージング海域です。水もマレー半島西側のマラッカ海峡より遥かにきれいだし。
 
28日は南風、更に潮が南から北に向かって流れているので、マレー半島の岸1マイル
まで近寄り、反流を探します。当たり。岸近くに南に向かって流れる流れがありました。
薄暗くなるまで南下を続け、半島の南東角に小島があったので、その北側に錨を入れます。

 
29日はシンガポール島の東とマレーシアの間を北上し、更に東に向かいスビナ川を1時間半遡ります。
川は静かで両岸はマングローブの林です。魚の養殖場も幾つかありました。



 
奥にセバナコーブというマリーナとゴルフ場が一体となったリゾートがあります。
ここで、プールで遊び、女子クルーはホットシャワーで洗髪。
料金は64リンギットでした。
日本人のジョホール駐在員のグループがゴルフコンペに来ていました。



 
夕方には河口まで下り、アンカリング。南はオープンですが静かな海面です。
シンガポールに沈む夕陽の鑑賞です。シンガポールから夕陽を見る人は沢山いますが
シンガポールに落ちる夕陽を見るのは、珍しい体験です。
 
静かな海面は午前2時半のスコールで荒々しい海面に変わりました。
遮るものは無い南西側から激しい雷雨に襲われました。
いつものドタンバタンですが、泥の海底に素晴らしい効きの錨がしっかり食い込み、走錨の不安は
微塵もありません。
 
30日、明るくなった所で、シンガポールの西側に川を遡った所にある、プテリマリーナに向かって
出港。逆潮が至る所にあります。シンガポール海峡の潮流図はインターネットではなかなか見つかりません。
瀬戸内海のそれは、簡単に見つかるのですが。
 
巨大船の林を抜け、マリーナサンズを海側から眺め、シンガポール海軍の新兵器?ボートに遭遇し、
空を何回も飛ぶジェット戦闘機の騒音を聞かされ、シンガポール南岸を東から西に回ります。


川を遡り、橋をくぐって、更に30分走ります。プテリマリーナの周りには更にビルが追加されています。
最後の川上りは連れ潮で川からのプレゼント+1ノット。


 
午後4時半にプテリハーバーマリーナに無事到着。3回目の訪問になります。
ここで、3日間休養し6月2日にペナンに向かって船出します。

 

2016年5月26日木曜日

5月26日、ミリからティオマン島へ

現在、マレー半島東側のティオマン島のマリーナに居ます。
 
5月17日の午前7時半、ミリを出港。

西に向かいます。
当初はボルネオ島の西端まで島を伝って行き、西端のどこかで給油して
燃料満タン、500リットルを積んで、海峡を渡る予定でした。

が、慎重なる調査、検討の結果、(といっても他のヨッティー数人からの
話を聞いて決めただけですが)ミリからインドネシアの島に寄って休みながら
直接ティオマン島に向かう事に決定。
 
最初は3泊4日間走り続け、インドネシアのスマラン島で1泊。
次は2泊3日間走り続けて同アイラブ島。ロマンチックな名前ですね。この島、で1泊。
最後は1泊2日でマレーシアのティオマン島着。ここまで給油できる場所はありません。
 
心配ネタは、燃料が持つか? 距離は630マイル、1167Km。
すでに南西モンスーンの初めに入っており、南西寄り、つまり向かい風の
可能性があります。すると、機帆走、又は機走の機会が増える。さらに
波が高いと燃料消費が多くなる。大丈夫か?という事です。
 
出て、いきなり向かい風。エンジンをブンブン廻します。
翌日18日は虹が正面に出て虹に向かって走りました。

まるで天国に向かっているみたい。
19日は久々にイルカの一家が並走してくれ、オーバーナイトセーリングの疲れを癒してくれます。

 
20日、最初のランドフォール!島が見えたぞ。スマラン島です。教えて貰った泊地に向かう途中に
綺麗な白砂の小島が右手に見えてきました。

泊地に近づくとヨットが1艇錨泊しています。近づくと、なんと、4日前、同じミリマリーナを出港したアステリア号が見えてきました。
彼ら、フィンランド人のヤリさん、チリ人のダマリス夫妻の船です。この泊地を教えてくれたヨッティーです。

隣の水深10m地点に錨を降ろします。
 
21日の朝に出港。しようとした所、錨が岩に咬んだ様で、なかなか抜けません。あっちに走り、こっちに引っ張って何とか
抜けました。錨の表面に傷が付いていました。
西に向かいますが、途中で手作りクッションが落水。
午後3時過ぎに大きな雨雲に取り囲まれ始めました。
前帆を巻き、主帆を2ポイントリーフにして備えます。
 
それまでの南風が西風に変わり、風が冷たくなり、強くなってきます。
来るぞ。来ました。じゃじゃん。
強烈です。20ノットを軽く超え、30ノットを越え始めました。
正面からの風と波で進まないので、進路を少し北に変え、波に斜めに進み始めて
間もなく、風神の手で、それまで風を受けていた主帆が引き裂かれました。
風速計は40ノットを越え、45ノットの数字も出ています。
外は4m位の波で波頭は真っ白に渦巻いています。
 
考えているのは、船をこれ以上壊さないにはどうするか、更に風が吹きあがったら
どうするか?の2点のみ。
 
この北向きの方向だと、風下4マイルに島がある事が解りました。前進していれば
かわせますが、何らかのトラブルで前進が停まると、流されて座礁のリスク有り。
ぞっとします。
 
波が低い時を狙ってエンジンフル回転で船首を左に回転させ南に向けます。
操縦席は右側なので、今度は雨風が直撃。カバーはしていても、あっという間に雨と潮でびしょ濡れ。
アドレナリン120%体内放出ですね。セールは更にびりびりと裂かれていますが
危なくてデッキに出て下ろすことは出来ません。
写真撮影の余裕なし。
 
2時間位後でしょうか。風速が20ノット台に落ちてきました。強風の20ノットが軽風に感じます。
オートパイロットが効き始めたので、デッキに出て哀れなセールを降ろします。
ハワイを出港後、4年と少し、Uminekoを押し続けてくれました。半年前からは紫外線による劣化で
手で強く引くと破れる所も出ていました。大往生です。ありがとう、ここまでよく耐えた。
 
今日は朝は錨が抜けず、クッションの落水、主帆の臨終と良くない事3連荘。
2011年のハワイトレーニング時の最終日を思い出しました。
あの時は、走錨、乗員落水、キャビンの底抜けでした。
 
風は徐々に落ちるものの、大きな波が残って正面から当たります。両エンジンフル回転で3ノット。
燃料が心配です。
 
夜になって波も小さくなり、風、波が南南西に変わりジブセールが使える様になりました。
 
22日も前線が右から寄ってきます。レーダーと現物がこういう感じです。



 
23日、ランドフォール。アイラブ島が見えるぞ!

泊地探しの途中で、地元の漁船から魚を3匹頂きました。ハゲの類です。
煮魚になりました。


ここは、一説ではインドネシアのボラボラ島。それらしい形の山は無し。
広いリーフに囲まれているわけでも無し。
 
一カ所、小さな小島があって、その周りが浅く、ライトブルーに輝く綺麗な所を
発見。そこの6m地点に錨を降ろします。


夜に満月が島の山の頂からあがりました。バットマンが出てきそうな夜でした。

 
翌24日は最後のオーバーナイトセーリング、ティオマン島までの130マイルです。
途中、ひょっこりひょうたん島らしきものを発見。近寄ると岩だらけのおどろおどろしい島でした。



 
25日朝、走りながら見る最後の朝日を楽しみます。

ティオマン島が見えてきました。
南側を通ると特徴的な尖った岩が見えます。

くるりと島の南を廻り、西側にあるマリーナに向かいます。
スペース少なく、ラッキーであれば空きがあるというマリーナです。

 
ラッキーでした。フェリー桟橋の反対側に入れる事が出来ました。
島のメインストリートはこういう感じ。

よく騒ぐガチョーがいました。

マレーシアで一番海の綺麗な島ですが、うまく行っていないビジネスも散見
されます。
給油は桟橋に置いてあるプラスチックのドラム缶から入れて貰います。
1リットル3.5リンギット。

 
破れたセールを上げてみました。見事にびりびり。未練無しの状態です。


 

今日はマリーナを出て小さな島に向かいます。