2016年3月15日火曜日

3月15日、基隆から烏石経由花蓮へ

オンザロックと聞けば、ウィスキー、焼酎。日本酒、ワインをそうする人もいます。
飲み物のオンザロックは我々を幸せにしますが、ヨットの話だとオーナーを悲しませます。
 
3月12日、風が弱まるのを待って海大係留所を離岸しました。
出口までは浅く、所々海底に岩が転がっていので、慎重に慎重を
重ね、海大OBのLinさんに案内を頼み、両船首には見張りを立てて
そろそろ進みました。
ところが、最初の危険マークのブイを過ぎた所で、ごつん。
水面下の岩に乗り上げ、船は岩に捕らわれの身に。
オンザロック!


写真は下手人の岩です。離岩後に写した写真で、船体塗料の白が
岩にこびりついています。
幸いにも上げ潮だったので、約1時間後に離れる事が出来ました。
 
雨が降り、寒かったので、そのまま次の港、烏石漁港に向けて出発。
向かい風と逆潮でエンジン頼りに東に進みます。
 
最初の岬を超えて進路を南東に取ります。次の岬はLinさんによると
荒れる岬。黒潮と台湾北部を東に向かって流れる海流がぶつかる所で
波が立つ所。風は東20ノットで、拍車を掛けています。
いやいや、大変な所でした。3-4mの悪い波の歓迎を受けました。
 
そこは手動操船でクリア。その後の烏石漁港に向かう道は黒潮の反流らしき
連れ潮があり、気持ち悪い後は気持ちよく進めました。
 
烏石漁港にはマリーナがありますが、カタマランは入れて貰えないので
岸壁に舫います。オレンジ色のつなぎを着た、コーストガード職員が
向かえてくれました。親切なコーストガードで、電話一本でマリーナのゲートを
開けに来てくれます。


 


ここから少し南に下った所に温泉があるというので、タクシーで向かいます。
20分位走って300元なり。日本の大きな温泉観光地に雰囲気が似ています。
中心部には足湯があり、土曜の今日は沢山の観光客でにぎわっていました。
金魚の入った足湯が人気の様でした。





 

共同湯は日本の温泉にそっくりのです。しばし温まり、リラックス。
道端の屋台でエビ、イカ、沢蟹の唐揚げを買い込み、生ビールで
乾杯。お湯の後のビールは何処で飲んでも最高ですね。
ところで、台湾の野菜は美味しいですが、ミニトマトは甘くて美味しいです。
晩御飯はマリーナのある漁港に戻り、生きた材料を買って、近くのレストランに
持ち込み、料理をしてもらいました。ロブスター、イセエビ、カニは高いのでやめ。大きなイカ、牡蠣、蛤、エビで堪能しました。
食べきれず、残りは持ち帰りです。




 
ここは泊まらず、夜の8時に出発。南に57マイルの花蓮に向かいます。
風は東の微風から徐々に南東―南に変わり、強くなってきます。
エンジン全開です。
13日になり、明るくなると、台湾の東海岸の急峻な景色が見えてきます。
有名な太魯閣も海側から見る事が出来ました。
 



花蓮港の入り口にある大きな赤色の灯台に向かえてもらい、花蓮港入港。
つけた所は大橋舟。大橋造船か?そこの岸壁です。コーストガードが現れ、
Linさんが入港届けを提出します。造船所のトイレ、湯の出るシャワーを使わせて
貰います。タダではありません。一泊650元也。






 
街から離れているので、周りに何もない所と想像していましたが、クジラ見学
を売り物にしている観光港で、レストラン、カフェ、お土産や、工作部屋があり
たすかります。パイプを曲げて浮力体にした面白い船がありました。



 
タクシーで花蓮の中心街に出て、ぶらつき、高台にある旧日本軍の本部となっていた所
、市内の蒸気機関車の置いてある所を訪問。 旧日本軍の建物の中では生け花展をやっていました。平和です。


Linさんは月曜から仕事があるので、ここで別れて帰宅です。
 晩御飯はマンボウを食べました。土佐清水では天ぷらでしたが、ここでは野菜との炒めもの。
弾力のある肉質です。
又、ここでは魚のつみれが名物の様で、シイラの身が材料です。



さて、寝る前に歯を磨くのに水を口に入れたら、少し塩辛い。んーー。辻野さんも
同意見。水は右のタンクから来ています。タンクの水量を見ると、使った割りに水位が
高い。
ひょっとすると、基隆を出る時のオンザロックでキールにヒビが入り、そこから海水が
キールの内側の清水タンク部に入ったのでは?
水面の高さをノギスで測りメモします。
 
翌朝、12時間後に再び高さを測ったら、水位が上がっていました。水の味は塩を
感じます。間違いなく、海水が入ってきています。ゆっくりと。
塞がないと、徐々に海水が入り、やがては右の船体が浸水する事になります。
大至急、船を陸に上げて、修理が必要です。
 
淡々と書いていますが、カリブ海で舵が無くなって以来の大トラブルで、内心は穏やかでは
ありません。が、落ち着いた振りをして対策を考えます。
 
St. Francisの造船所に修理のアドバイスを伺い、保険会社には仮報告をしておきます。
 
さて、なんと、今停まっているのが、造船所の岸壁。
工場内部を覗くと、修理に必要な材料、機材はあります。
 
オーストラリアで左のエンジンが壊れた時は、停泊してあるマリーナにあるヤンマー代理店に、新品の
同じエンジンがありました。
カリブ海で舵が無くなった時は、近くの島に、同じ船の舵の型がありました。
今回は修理の出来る造船所の岸壁に停泊しています。
応援頂いている方々に見守られているという気がします。
 
Linさんを通じて、工場に話をしてもらい、17日に上架、21日に工事終了というスケジュールで
話が付きました。ひと安心です。上架するまでは油断は禁物ですが。
 

ここで捕まるので、台東、後壁湖寄港は取りやめ、花蓮から直接フィリピンに向かいます。

2016年3月11日金曜日

3月11日、基隆は雨ばかり

3月8日は国立台湾海洋大学の一室で、ヨット部の学生、大学OBの方達を
相手に、プレゼンテーションを実施。

この泊地をタダで提供頂いている手前、
やらないわけにはいきません。

ちなみにマリーナに停泊すると一泊、一万円以上。助かってます。
小さな教室でしたが、満席で怪しい話を聞いてもらえました。
今回は通訳さんが付きました。

 
海洋大学は生徒数7000人の大きな大学で、海に関係する事は
何でも学科があるようです。

グランドは全面人工芝が貼って有り、立派なものです。

内部にコンビニのファミリーマートがあるので、便利です。
 
それからは天気は下り一方。風、雨、気温の低下(10日は12度まで
下がりました)で雨の街基隆らしく迎えてもらっています。
 
9日はその中を台北まで出て観光。といっても小籠包のディンタイフンで
小籠包全種を試し、そこから歩いて101ビルまで行っただけですが。
トリュフ入り小籠包も試しました。高いですが、美味しい。

 
今日11日は昼食を学食で取りました。

この料理は94元、約300円也。



明日の出発に備えてプロビジョニング。
業界用語で買い出しの事ですが、基隆中心まで出向き、市場で
野菜、果物、肉類を買って来ました。

スーパーの如く、小さく切ってパックに入った肉は無いので、
固まりから切ってもらう事になります。

野菜は大変新鮮できれいです。
 
夜は寒いので鍋。色々と我々の面倒を見てくれている、Lin青年も
今夜から参加し、明後日の花蓮まで一緒です。

言葉の通じない所では、誠に力強いですね。花蓮での停泊場所も

探してアレンジしてくれました。

2016年3月9日水曜日

3月8日、基隆に着いています

3月6日の午前7時50分、宜野湾から石垣島まで乗船したIDDM日本一周の小島さんに
見送られ、石垣島を出発。
今日は仏滅なので、悪い事が起こらないかと、内心ちょっぴり心配でした。

順風とはいかず、初め前よりの風、のち後寄りの弱い風、最後は再び向かい風で
エンジンにはほぼ休みことなく働いてもらいました。

無事、7日の現地時間12時30分に基隆の入国手続き用岸壁に到着。
オレンジ色の若い職員さんが出てきました。ロープを投げるも、要領を得ず。
言葉は全く通じず、辻野さんが岸壁に上がって、舫い作業を完了。

パスポートの提出を求められ、提出。待ちます。何が起こっているのか判りません。
船の登録証の提示を求められるのが、入国手続きの通常の流れですが
要求無し。
そうしているうちに、若者4人の乗ったゴムボートが向かってきました。
台湾国立海洋大学、ヨット部の学生です。
我々の入国手続きのアシストに来る事になっていて、入港前から連絡を取り合って
いました。
学生の黄さんが係官と話し始め、初めは行き違いがあったような感じでしたが、
船の登録証も提出。少し待ってイミグレ担当官もやって来て、入国カード
に記入。これで手続きは完了です。


学生2人がUminekoの乗り、ゴムボートに先を走ってもらい、基隆での
停泊場所となる、大学ヨット部の係留所に移動。大学のキャンパスの隣
にある、浅いが静かな海面の岸壁に係留させてもらっています。

水は引いてくれました。電気はありません。シャワーは体育館のシャワーで
温水シャワーを使えます。  全て無料がいいですね。
夕方には今回の訪問の全てを助けてくれているLin青年が到着。
彼は駒井さんのヨット、Anne7のクルーです。果物、落花生、ビーフジャーキー等の
詰まったギフトを頂き、夜は一緒に基隆の夜市に出かけ、屋台で夕食。

8日の朝は、9日から10日かけて吹く北東の強風に備え、岸壁の反対側の岩から
舫いロープ取り作業を行いました。午後は近くの山間の観光地に出かけました。
帰ってきたら、小雨が降り、気温が下がってきました。

今日の夜は海洋大学の学生を一緒に

教室でピザを食べながらのプレゼンの予定です。

3月5日、出発前夜

3月1日午前10時に宴会と整備の記憶のみの宜野湾港マリーナを出港。


爽やかと、柔らかな風の中、つまり風が吹いたり落ちたりの中を
帆走と機帆走でノンビリと走り、3日の午前10時半に石垣島に
到着。


到着前にメインセイルの2カ所の破れを青のパッチを貼り付けて
修理を実行しました。修理パッチも残り少なくなりました。

10ヶ月前に来た、石垣漁港フィシャリーナの同じ場所に入りました。
先回同様、前田船長に舫いを取って頂きました。

暖かいです。Tシャツ、半ズボンのヨット海上生活者のユニフォーム
に戻れました。陽射しも強く、日焼けしてしまいました。

その後は、出国手続き、石垣島、竹富島の観光旅行、最後の買い出し、
宴会と順調に日程を消化。


明日、6日の午前8時に台湾・基隆港目指して出発します。
今日も暖かく、夜には蚊が現れ、霜降り石垣牛で増血した我々の体から
血を抜いて行きました。

基隆までは強風は吹かないようなので安心ですが、6日は仏滅。
要注意で行きます。